えほんひらけば

手にとった絵本を自分なりに紹介していきます。

とんでもない

 

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『とんでもない』 (鈴木のりたけ) アリス館2016.2

 

誰しも自分にないものはよく見える。

しかし、うらやましいと言われた相手はそう思っていないことが多い。

「あったらあったでいろいろたいへん」は身に沁みる一節だ。

 

「どこにでもいるふつうのこ」のぼくが、

「さいはいいなあ よろいのようなりっぱなかわが かっこいい」

とつぶやくことから始まるこのお話は、

次々登場する動物たちの持ち味と嘆きがテンポよく繰り返されて面白い。

 

また、絵の描写が精密で、とぼけた感じをよく出している。

 

生きとし生ける者は、それぞれにあたたかい。

【小学生向け】