えほんひらけば

手にとった絵本を自分なりに紹介していきます。

のら猫のかみさま

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(くすのきしげのり・作  狩野富貴子・絵  星の環会)

 

 五編の中で「読み聞かせたいなあ」と感じたのは、まずこの作品だった。

 

 絵本を注文して、声に出して読んでみたら、あああと思った。

 犬が亡くなった後のシーンで、思わず涙腺が緩んでくる。

 

 これはちょっと読み込まないと、人前に出せないな…

 と思っていたところ、先日の研修会で「おすすめ本」として選んだ方がいらっしゃった。

 その段階はクリアしたようで、ご自分なりの表現で読みきっていた。

 他の方の読みを聞いたことで、また一つ客観的になれた気がした。

 

 年老いた飼い犬の餌を、盗むように漁り続けたのら猫が、産んだ子猫と一緒にそれを続け、そしてその犬がなくなる時を迎える…

 

 「愛」というシンプルな語しか思い浮かばない。

 

 これは年中児から上ならば誰にでも読んであげたい、読んでほしい物語だ。